大山全代(Ohyama, Masayo)ディレクター

・国連国際学校 (UNIS) アフタースクール
 カリキュラムコーディネーター及び日本語教師
・フォーダム大学大学院博士課程(Curriculum and Teaching:
 Language, Literacy and Learning)
・ニューヨーク大学大学院修士
(TESOL 及び Foreign Language Japanese)
・アメリカ外国語教師会(ACTFL)会員
・全米日本語教師会 (NCJLT)会員
・北東部日本語教師会(NECTJ)会員
・母語、継承語、バイリンガル教育(MHB)会員

日本語を教え始めて12年が経ちますが、現在は日本国外で生まれ育つ日系人子弟や国際結婚の国際児を対象とした継承語としての日本語を教える傍ら「読み書きの能力と習得方法」を研究中です。「継承語」は言語習得理論の確立も含め新しい分野ですが、教育実践事例を米国のACTFLを始めとして日本のMHBにおいても発表をしております。継承語学習者の二言語の読み書きを高いレベルに育てることを応援する場として2005年に長野なみあいキャンプを始めました。

キャンプが目指すもの
緑の山々に囲まれた、なみあいキャンプの一ヶ月の合宿生活は、自分の身の回り、共同で使うところを気持ちよく生活することから始まります。生活面の自立が学習成果にも反映されると言われますが、自律は最も基礎となる重要なものだと思います。毎日の掃除の後の気持ちよさを体験し習慣化していきます。教室の中での学習やたくさんの情報を詰め込んでもそれが定着し使えるようにすることはなかなか難しいのですが、体験は習得していくことをより可能にしてくれます。キャンプでは、毎年テーマを決め地域につながるプロジェクト活動をして、調べたことを浪合小中学校で全員協力して発表します。本物体験は子どもの好奇心や感性を育てますが、学力も伸ばします。

なみあいキャンプは、ただ日本文化の断片的な細切れの体験ではなく、山村に暮らしその暮らしの中で、ことばや習慣の背景にある文化に根ざした意味合いを五感を通して体感していきます。また、その暮らしを通して、キャンプの仲間、NPO通年合宿センターの山村留学生の仲間、さらに、浪合小中学校の仲間や地元地域の皆さんとつながり、その中で日本語を使う意義を体感します。自然とのつながりや人とのつながりで体験した感動や発見をブログを通して日本語を中心に各レポーターの得意な言語(2007年度:英語、仏語、独語、ポルトガル語)も加え世界に発信していきます。

この様に立体的に日本語を使う環境は日本語を学び続ける、やる気と意欲を育てていくのには最適と言えると思います。世界各国から集まる同じ境遇の子どもたちがお互い励まし問題を解決したり、問題を発見したり、リーダーシップが育つ、開かれたコミュニティを作り、地域と関わり、暮らしの体験を通して、読み書きが出来る両言語、多言語の育成を応援していきたいと思います。


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舛谷 麻美(Masuya, Mami)プログラムコーディネーター

・国連国際学校(UNIS)アフタースクール日本語教師
・コロンビア大学教育大学院修士(バイリンガル・バイカルチュラル教育)
・イースタンミシガン大学(言語&国際貿易専攻)
・アメリカ外国語教師会(ACTFL)会員
・全米日本語教師会(NCJLT)会員
・米国北東部日本語教師会(NECTJ)会員
・母語、継承語、バイリンガル教育(MHB)会員

「まきこみ」が作り出すコミュニティ
なみあいキャンプは4週間にわたって行われる長期キャンプです。この長期キャンプを成功させる一つの鍵は、私たちが作る小さなコミュニティを外の大きなコミュニティとつなげ、いかに「開かれたコミュニティ」を作り出すかということです。この「開かれたコミュニティ」が「人とのつながり」を作り出し、キャンプがより意味のあるものになります。私たちはお客さんとしてなみあいに滞在するのではなく、コミュニティの一員としてキャンプを行います。

では、どうやってそのようなコミュニティを作り出すのでしょうか。それは、家族、山村留学生の仲間、地元の子ども達や村の人たちを私たちのキャンプにまきこむことによって可能になります。

子ども達が毎日交代で発信しているブログは、家族や親戚、また一般の閲覧者にとって毎日のことが手にとるようにわかります。また、数ヶ国語での発信は、日本語を話さない片親も積極的に参加することができるのです。キャンプ中は離れて暮らしている家族にとって、ブログを読むことが生活の一部となり、毎年行われるフォトコンテストでは、遠くにいながらも投票に参加がすることができます。子ども達にとって「身近な人が読んでくれている」、「自分達の日記を待っている」、「フィードバックがもらえる」ということがブログを発信する意欲を大いにかきたてます。加えて、ブログのコメント欄に書かれる家族や友達からの励ましは日本語を学ぶやる気を十二分に高めてくれるのです。さらに、「親子で楽しめるキャンプ」をモットーとして開催するオープンハウスは、家族の方にも魅力的なプログラムを用意しています。ブログでの参加に加え、実際にキャンプ地にやってきて子ども達とキャンプを体験することもできるのです。

山村留学の仲間とは毎週一回食事を作って食べた後、遊んだり、週二回はスポーツで汗を流したりします。体験入学の時は一緒に登下校したり、テントハイクや川遊びにも出かけます。また、最後に行われる催し物の一つであるキャンプファイヤーは儀式から始 り、歌などの出し物をお互いに披露したり、ゲームをしたりします。キャンプ中は山村留学の仲間との交流が豊富にあり、子ども達はそれぞれ友情を深めることができます。

地域の子ども達とは、現地小中学校への体験入学や毎週行われるスポーツ大会で交流します。また、キャンプ終盤に開催する食事会では、山村留学の仲間や地元の人々を招待し、キャンパー全員で準備した食事を振舞います。たくさんの時間をかけて完成させたプロジェクトは、学校と食事会で発表します。キャンパーの視点から見た日本やなみあいは、地元の子ども達にとって刺激となっているのは言うまでもありません。


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津田和男(Tsuda, Kazuo)キャンプ企画アドバイザー

・国連国際学校(UNIS) 日本語教師
・米国北東部日本語教師会(NECTJ)会長
・アメリカ外国語教師会(ACTFL)2007&2008年度日本語部門委員長
・母語、継承語、バイリンガル教育(MHB)役員
・日本語教育世界大会2006年度実行委員
・SAT 問題作成委員
・日本語教科書第1巻「春一番」、第2巻「銀河」出版者
・International Baccalaureate (IB) ワークショップリーダー
・AP Japanese ワークショップリーダー

夏休みをどう受け止めるか
アメリカにおける夏休みは多くの国で夏休みを削って授業時間を増やそうとする傾向がある中で、きわめて消耗的な時間帯と言われています。確かに学習時間の確保と言う観点からは、アメリカの夏休みがこのやり方でよいのかどうか大きな課題であると言えましょう。しかし、アメリカの夏休みをよく考えてみると、教育の本来の目標が単なる計算力や読解力の向上による学習力の強化ではなくて、問題解決能力の付与向上にあるとすれば、夏休みをこの期間に当てるのが最もふさわしいのではないかと言う視点が登場してきます。

アメリカの長い夏休みとサマーキャンプは切っても切れない関係にあると思いますが、サマーキャンプを通じて自然のなかで、問題に直面し、解決方向を自らの力で見出していくという体験学習こそが、問題解決能力の付与向上と言うことに最もふさわしい体験化だということを誰しもが認識しているからではないでしょうか。

サマーキャンプに4週間は必要か
結論を先に言うと、4週間はどうしても必要です。

サマーキャンプの意義をカウンセリングにおける4サイクル循環の定義に当てはめると、
 1.導入期:新しい環境に慣れるための高揚期
 2.不満期:好奇心に満ちた時期からいやな面が目についてくる時期
 3.諦観期:不便な面にも慣れてその現状が受け入れられる時期
 4.適応期:さらに前向きにその場が好きになり、その時間を有意義に過ごそうと
       地に足が着いた生活を始める時期
となります。

この4サイクル循環を達成するには本来であれば4年の歳月を要しますが、夏休みに集中して最短時間で体験しようとする場合でも、4週間は必要とされています。そしてこの4サイクル4週間を通じてキャンパー達が問題解決能力を勝ち取ることが出来れば、長い消耗的な時間帯も教育的に意義あるものに転化することが出来るのではないでしょうか。 


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なみあい育遊会

長野なみあいキャンプは「浪合通年合宿センター(村立山村留学)」及び「なみあい遊楽館」を運営管理するNPO法人「なみあい育遊会」の協力を得て、キャンプ活動をより一層充実させています。なみあい育遊会のスタッフは野外活動指導有資格者でテントハイクを初めとする野外活動、農園作業、川遊び、木工工作などの指導に当たってくれます。また、浪合通年合宿センターで生活する山村留学生とはキャンプ期間中にスポーツ、野外活動、懇親会を共にして友好を深めています。

長野なみあいキャンプの宿舎となる遊楽館と通年合宿センターとは隣同士で、多くの活動を共にしています。なみあい育遊会の詳しい内容は以下のホームページでご覧いただけます。    
http://www.mis.janis.or.jp/~namiyou/


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